ポップカルチャー好きのブログ

好きなドラマ、音楽、舞台の感想を気ままに書きます。

『初めて恋をした日に読む話』8話

今回の『はじこい』のテーマは、八雲(永山絢斗)のこの台詞に集約されていた。

八雲:「人が動く動機は、究極的には二つだ。自分の幸せのためか、好きな人の幸せのため。俺は好きな人を悲しませたくないんだよ。」 

それぞれが、それぞれの好きな人、大切な人のために行動した8話。 山下(中村倫也)も八雲も春見(深田恭子)のために。山下の元妻である優華(星野真理)の父、吉川(平泉成)は娘のために。

そして由利(横浜流星)は、これまで春見のために東大合格を目指していた側面が大きかったが、いつしか「自分のため」という側面が大きくなっていた。ドラマ冒頭、由利が春見に「今更だけどさ、理Ⅰってどんなことやんだっけ」と聞いている台詞は、自分の将来を想像し、自分のために東大に合格したいという意識が大きくなっていることを表している。しかし由利自身は、そんな自分の気持ちの変化に気付いておらず、父親に関する事件も相まって東大受験の本当の目的が何か分からなくなり、混乱した。そしてドラマ終盤、八雲から指摘と激励をもらったことでやっと気付いたようだった。由利は今「自分のために」、そして「大切な春見のために」東大受験に向かっている。

一方で春見はどうだろう。東大受験に失敗した自分のコンプレックスを払拭するために、「自分のために」由利の東大受験を全力で支えているのか。それとも由利自身のことを好きになっているから、「好きな人のために」全力なのか。春見自身もまだ本当の自分の気持ちに気付いていないように見受けられる。そして視聴者に対してもどっちつかずの表現をしている。春見が「何のために」今、由利の東大受験に全力を注いでいるのか。今後の展開で明らかになることを待つ。